Raspberry Piは、公式サイトだけでは、うまく行かない場合もあります。
本記事では、誰でも簡単にできるように解説しています。
基本的にMacでのセットアップ方法ですが、Raspberry Piに対する設定は、Widnowsで行う場合と違いはありません。
今回説明するポイントは以下です。
- Raspberry Pi OSのインストール方法/初期設定方法
- GUIのデスクトップ環境が無効な状態でセットアップ
- Raspberry Pi用のモニター・キーボードがなくても可能
- Wifi設定方法
- 共有フォルダの設定方法
基本的な方法はラズベリーパイ財団の公式HPに記載があります。
ラズパイの環境は年々変わるので、最新の正しいセットアップ方法を確認するようにしてください。
準備するもの
- raspberry pi(電源含む)
- LANケーブル
- iMac(2017)
Raspberry Pi OSをインストール
3年ぶりにOSをインストールしなおしましたが、インストールしやすく進化しています。
OS書き込みソフト(Raspberry Pi Imager)ダウンロード
ラズベリーパイ財団からRaspberry Pi Imagerをダウンロードします。
インストールは、Macでの通常のアプリのインストールと同じです。
- Raspberry Pi Imager
-
Raspberry PiへOSを簡単にSDカードにインストールするためのソフトです。
ラズベリーパイ財団から提供されているので、信頼できます。
Raspberry Pi OSをmicroSDカードに書き込む
Raspberry Pi Imageを使って、SDカードに書き込みます。
- デスクトップ環境がないOSのインストール
- SSH有効
Raspberry PiをデスクトップPCのように使用したいのであれば、デスクトップ環境ありでOSをインストールする必要があります。
サーバーやIoTのホームハブなどに使用する目的は、SSHを使用したコマンドの入力になるので、デスクトップ環境無しで十分です。また、デスクトップありにすると、デスクトップUIに使用するメモリが消費されてしまいます。普段から使用しないのであれば、デスクトップなしのOSをインストールすることをおすすめします。





‘Ctrl(Cmd)-Shift-X’でAdvanceOptionsを開きます。
ディスプレイなしなので、SSHを有効にします。SSHのパスワードも設定します。



ラズパイにsshでログイン
ターミナルを起動し、ssh pi(デフォルトのユーザ名)@raspberrypi.localのように入力します。
パスワードは、OSインストール時に設定したパスワードを入力します。
raspberrypi.localのように名前、もしくは、ラズパイのIPアドレスを直接指定する方法もあります。
% ssh pi@raspberrypi.local ※ipアドレス指定の場合は、pi@xxx.xxx.xxx.xxxとします。
pi@192.168.10.7's password: xxxxx
pi@raspberrypi:~ $
Wifi設定
Wifi設定は要注意です。公式HPにもWifi設定方法が書かれていますが、それだけではできませんでした。
私が設定できた方法を紹介します。
raspi-configの設定
まずは、公式サイトの通りに「sudo raspi-config」からwifiを使用する国を指定します。
pi@raspberrypi:~ $ sudo raspi-config



これで設定完了です。

接続するWifiのSSIDを取得
raspberry piから接続するWifiのSSIDを調べます。公式サイトの通りの手順です。
これは、スマホでWifi接続するときに出てくる名前と同じです。
「sudo iwlist wlan0 scan」で調べることができます。
ESSID:の後の文字がSSIDとなります。複数出てくるので、自分の家のSSIDを調べてください。
$ sudo iwlist wlan0 scan
wlan0 Scan completed :
Cell 02 - Address: xx:xxx:xx:xx:xx:xx
....
ESSID:"TestTest"
- iwlist
-
iwlistは以下の記事に詳しく書いています。気になる方はこちらをご覧ください。
Raspberry piにWifiを設定
公式サイトの通りの手順ですが、一点だけ、後述の内容を追記する必要がありました
以下のコマンドで一発で可能です。
wpa_passphraseでパスワードを暗号化します。
wpa_supplicant.confにSSIDと暗号化されたパスワードを入力します。
$ wpa_passphrase "ssid" "password" | sudo tee -a /etc/wpa_supplicant/wpa_supplicant.conf
"ssid"には、iwlistで調べたssidです。
"password"には、自宅のWifiのパスワードを入力してください。
wpa_supplicant.confには以下のように書かれます。
pi@raspberrypi:~ $ sudo nano /etc/wpa_supplicant/wpa_supplicant.conf
ctrl_interface=DIR=/var/run/wpa_supplicant GROUP=netdev
update_config=1
country=JP
network={
ssid="TestTest" ※接続したいwifiのSSID
#psk="XXXXX" ※wifiのパスワード。これは不要なので消してください。
psk=afff844b3336d98a4bf1aed59b927b4b6a19999afffb2c1299c0684fdf11b1 ※暗号化されたパスワード
key_mgmt=WPA-PSK ※公式サイトでは、これが書いていなかったが、これを書く必要がある。
}
「#pks=”XXXXX”」はwpa_passphraseで入力した”password”の部分がそのまま出力されているので、消してください。このまま残っていたら、暗号化した意味がありません。
公式HPには、「key_mgmt=WPA-PSK」について書いていませんでしたが、この文を追加しなければ、wifiに接続することができませんでした。
- wpa_passphrase
-
wpa_passphraseは以下の記事に詳しく書いています。気になる方はこちらをご覧ください。
共有フォルダ(Samba)
Sambaインストール
共有フォルダを設定するために、Sambaをインストールします。
sudo apt install samba samba-common-bin
WINSサーバについて聞かれますが、Noとします。この辺は、自宅の環境とあわせればOKです。

Samba設定
/etc/samba/smb.confの末尾に以下を追記します。
共有フォルダのパス等を設定します。
$ sudo vi /etc/samba/smb.conf
# クライアントPCに表示されるディレクトリ名
[shared]
# ディレクトリの説明欄に表示される
comment = samba raspberry
# 実際に参照されるUnix上のディレクトリ
path = /home/pi/work
# ファイルのアクセス権 No(書き込み可)
read only = no
# ファイル作成時のパーミッション設定
force create mode = 770
# ディレクトリ作成時のパーミッション設定
force directory mode = 770
# ユーザの指定
force user = pi
最後に「sudo smbpasswd -a pi」でパスワードを設定してください。
$ sudo smbpasswd -a pi
New SMB password:
Retype new SMB password:
Added user pi
Sambaを再起動させます。昔はsystemctlではなく、serviceでしたが、この辺も常に変わるので、最新の情報を見るようにしないといけないです。
sudo systemctl restart smbd
共有フォルダにアクセス
Macから共有フォルダにアクセスします。
「Finder」-「移動」- 「サーバに接続」からRaspberry Piにアクセスします。
これで完了です。



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